◆用の美★古民具について◆
骨董品は元より古民具に魅せられ数多く扱っております。
現代の多くの方々にまた、
昔の物に目を向け素晴らしさを感じていただくと同時に
物を大切にする心を切に願っています。
つくる人=使う人が民具の原点
農民は農耕のための、商人には商いのための道具が必要で、
それらは最初は使う人自身の手によって造られていました。
それが民具の始まりで、個人が考案した道具が周囲にも用いられ、
やがてその製法が各地に伝えられ、普及しました。
使い心地の良し悪しによってあるものはすたれます。
生き残ったものはさらに使いやすくなるように工夫がなされ、
時を経るにつれて改良されていきます。
それはあらゆる事に通じる物を感じさせます。
人々の創意工夫によって造られ、
芸術性ではなく機能性が追求されたものの素晴らしさを、
民芸運動の父、柳宗悦は用の美と呼んでたたえました。
民具には、ただ実用性のみを求めた、
無心の美しさがあるのです。
現在古民具と呼ばれて親しまれているものは、
江戸、明治、大正から昭和初期ごろまでの
生活用品全般です。衣食住や生業のみならず、
おもちゃや娯楽、縁起物や仏像など、
人々の心の支えだったものも古民具に含まれます。
それらは長い年月を生き抜き、
何世代もの人々が愛用した
用の美の精髄を備えたものといえるでしょう。
あらゆるアイテムに、当時の人々の生活形態が伺え、
いにしえをたどる旅へと私達をいざなってくれます。